よくある質問
大学の種類や学部について

理系にはどんな学部があるの?学部の選び方は?

理系にはさまざまな学部があり、選ぶ学部によって将来の進路・就職先も大きく変わってきます。受験の際には「学部」を選択する必要があるため、理系にはどんな学部があるのか、学部ごとの特徴などを事前に調べておく必要があります。

この記事では、主要な理系の学部をご紹介。さらに、学部ごとの内容や、学部ごとの就職先・職種などを詳しくご紹介します。なんとなく「理系が良さそう…」と思っている方、理系の学部の選びに悩んでいる方は、学部選びの参考にしてください。

[目次]

■理系とは?理系の主要な学部一覧
■理系の主要な学部の特徴と就職先を紹介
 ・医師を目指すうえで必須となる医学部
 ・薬のスペシャリストを育成する薬学部
 ・看護に役立つ病理学や栄養学を学ぶ看護学部
 ・理学を教え技術者を育てる理学部
 ・製造や建設、IT技術について専門的に学ぶ工学部
 ・理学と工学を総合的に学ぶ理工学部
 ・農作物の生産や栽培について学ぶ農学部
 ・歯科医を目指し歯の健康について学ぶ歯学部
 ・運動と健康の関係性について研究するスポーツ健康科学部
■理系学部の選び方とポイント

理系とは?理系の主要な学部一覧

理系とは、形式科学の「数学」、自然科学の「物理学」「化学」「生物学」など、主に自然界に関することや人間の活動を研究の対象とする学問の系統を指します。大学の学問は主に「人文科学系統」「社会科学系統」「自然科学系統」の3カテゴリーに分類できます。そのうち「人文科学系統」「社会科学系統」が文系、「自然科学系統」に理系学部は属します。

理系の主要な学部は、工学部、理学部、農学部、医学部、薬学部など。医療の「医」など、頭の一文字に特徴が現れているため、イメージを持ちやすい学部も多いでしょう。しかし、実際には大学によってさまざまな理系学部が存在します。そこで以下に、主要な理系の学部をいくつかご紹介します。

<理系の主な学部>
・理学部    理学(自然科学)の研究を行う。
・工学部    理工学部と比べてより実践的な技術を学ぶ。
・理工学部   理学・工学の両方を学ぶ。
・農学部    農業に関することや人類と自然の共生について研究する。
・畜産学部   豚・牛・鶏などの家畜の改良や増やし方、経営方法等について研究する。
・水産学部   水棲生物の増殖、漁獲、加工、流通まで水産業全体を研究する。
・獣医学部   動物の病気の診断・予防・治療について学ぶ。
・医学部    医療に関する研究を行う。
・歯学     歯と口腔の健康について専門的な知識を学ぶ。
・薬学     薬などの化学物質を健康や病気治療に役立てるための研究をする。
・看護学    看護師となるための知識・技術を学ぶ。  
・スポーツ健康学部 スポーツや健康を多角的に考え研究する。

これらの学部は、学部ごとにさらに詳細な「学科」に分かれます。例えば、農学部であれば、農業化学科・農業工学科・農業経営学科など。選択する大学の学部にどんな学科があるのかまで知っておくと、大学で何を学びたいのか、将来の職業にどのように繋がるかなどが見えやすくなるでしょう。

参考:文部科学省「学校基本調査-令和3年度 付属資料」

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理系の主要な学部の特徴と就職先を紹介

次に、上記に挙げた学部の中からピックアップし、それぞれの学部で学べることや、大学卒業後の主な就職先をご紹介します。

医師を目指すうえで必須となる医学部

医学部は、医学に関する研究や教育を行う学部です。医師を目指す場合、医学部の卒業が絶対条件となります。その専門的な特性から、大学側が受験生に対して高い学力を要求していること、また定員も少ないため、倍率が高くなりやすい特徴があります。
医学部の卒業生の多くは臨床医になりますが、研究者の道を歩むという選択肢もあります。

医学部には、以下のような学科があります。

・医学科
医師を養成するための専門学科。専門的な学科故に必要な知識が多く、6年制である点が特徴です。
身体の仕組みや構造を学ぶ「基礎医学」や、病気の治療法などを学ぶ「臨床医学」を履修します。医師として働くためには国家試験に合格する必要があるため、卒業後には医師国家試験の合格を目指します。

・看護学科
看護師や保健師を養成する学科。医学部に所属の学科ではなく、「看護学部」として学部を設けている大学もあります。学ぶ内容はどちらを選択しても差異はありません。卒業すると看護師と保健師の国家試験受験資格を得られます。裏を返せば、看護師や保健師になりたいと考えている場合は、看護学科に進学し、卒業することが必須です。

・保健学科
健康に関する科学分野を統合した「総合科学」を学ぶ学科。診療放射線技師・臨床検査技師・作業療法士・理学療法士などを目指す方向けの学科で、専門知識や技術を学びます。

医学部の主な就職先

・医師
・研究者
・看護師
・保健師
・診療放射線技師
・臨床検査技師
・作業療法士
・理学療法士

医学部では専門的な知識や技術を学べるため、卒業後の進路は知識を活かした専門職に就く方が中心となります。

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薬のスペシャリストを育成する薬学部

薬学部は、新しい治療薬の開発や製造方法など、薬に関係する高度な専門知識を学び、研究をする学部です。大学の薬学部では、薬とその関連分野のスペシャリストである薬剤師を育成することを目的としています。

・薬学科
薬剤師の国家試験のための知識を学ぶ学科です。薬学科病院や薬局での実習が必要になることもあり、6年制である点が特徴です。6年制の薬剤師養成課程を修了してはじめて薬剤師の受験資格を得られるため、薬剤師を志している方は薬学科への進学が必須と言えます。

・薬科学科
研究者を目指す学科で、4年制です。薬剤師免許は取らず、研究をメインに学びます。就職先は、製薬企業の研究職に進む方が多く、研究職を目指す場合は大学卒業後に大学院に進学し、研究を深める方も多いのが特徴です。

薬学部の主な就職先

・薬剤師(病院、薬局、ドラッグストアなど)
・研究職
・開発職
・品質管理職

薬剤師の資格を取得して卒業すると、多くの人は薬局・薬店の薬剤師や病院薬剤師として薬の処方にあたります。また化学や食品関連の企業で、新製品の開発にかかわる研究者や技術者として活躍することも可能です。

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看護に役立つ病理学や栄養学を学ぶ看護学部

看護師を養成する学部です。看護師・保健師の国家資格取得に向け、看護の理論や技術を学んでいきます。卒業すると看護師と保健師の国家試験受験資格を得られます。また大学によっては、看護学部で養護教諭の免許を取れる大学もあります。

看護学部の主な就職先

・看護師
・保健師
・助産師
・養護教諭

看護師・保健師・助産師を目指す場合、卒業後に国家試験を受ける必要があり、合格して初めて資格を取得できます。養護教諭の場合も、免許とは別に都道府県の教員採用試験に合格する必要があります。いずれも卒業に加えて試験合格をもって晴れて資格取得やその先の進路に繋げられることを覚えておきましょう。

理学を教え技術者を育てる理学部

数学・物理・化学・生物など、理数系の科目が得意な場合、理学部を志望するパターンは多いと思います。理学部では、こうした理数系の科目をさらに深く学んでいきます。ウイルス研究や宇宙の研究、地球上の気候や地質に関する研究など、専門分野に応じて、まだ解明されていない事柄を研究していきます。

理学部は、主に以下のような学科に分かれます。

・数学科・数理科学科
数学の専門学科です。微積分・代数・複素関数論・集合・位相・幾何などの基礎的な数学知識の他、専門分野に分かれて高度な数学知識を学び、研究します。

・物理学科
自然現象を実験や理論の側面から研究する物理の専門学科です。自然現象や実験から関連性を見出すなど、実験に重きが置かれているため、探求心が強い方は物理学科が向いているかもしれません。

・化学科
自然界に存在する物質とその変化を研究する化学の専門学科です。物質の成り立ちやその働きなど、化学科での学習・研究にはミクロな世界を追求する面白さがあります。

・生物学科・生命科学科
生物の専門学科。生物の研究を行います。大学によっては、生物科学科、生命科学科、生命工学科などと名称が異なる場合があります。
動物や植物、微生物などの生命現象について、学習し研究をする学科です。

・地学・地球科学科
地学の専門学科。地球で起こる自然現象やその副産物を研究します。主に「地質学」「地球物理学」「自然地理学」「天然資源開発」「防災科学」などを学びます。

理学部の主な就職先

・メーカー業界
・IT関連
・公務員
・金融業界

人気の高い業種としては、メーカー業界が挙げられます。例えば、化学科であれば化学メーカー、物理学科であれば電機メーカーへ就職する等が考えられます。理学部では学習や研究データから理論的に分析する能力を培うことができるでしょう。そのため、専門知識や分析力を活かしやすいIT業界や金融業界なども人気の業種となります。

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製造や建設、IT技術について専門的に学ぶ工学部

既にある科学技術を生活に役立てるべく「ものづくり」の研究を行う学部です。専門分野ごとにさまざまな学科があり、専門知識・技術を深めることができます。工学部には、次のような学科があります。

・機械工学科
・電気通信工学科
・土木建設工学科
・応用科学工学科
・応用理学工学科
・原子力工学科
・金属工学科
・繊維工学科
・船舶工学科
・航空工学科
・経営工学科

工学部に進む場合は、将来どの分野のものづくりに携わりたいかを考え、興味をもてる学科があるかどうか吟味をして大学を選ぶといいでしょう。

工学部の主な就職先

・製造業
・技術職
・メーカー業界(機器、住宅など)

工学部の主な就職先は、製造業や技術職です。工学部で学ぶ内容は実用的なものが多いため、機器や住宅などのメーカーからのニーズは多いです。選択した学科によって、ある程度就職先が決まってくるともいえるため、進路選択・受験の際には志望学科をよく考えて選ぶのがベターです。

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理学と工学を総合的に学ぶ理工学部

理工学部では、理学と工学、両方の立場から総合的、学際的な研究を行います。理学では、物理・化学の分野で高度な研究を行います。対して、工学では物理や化学を土台にしてモノづくりに生かせる技術を身につけることが可能です。

また大学によっては、理工学部はさらに細かい学科に分かれており、最終的に理学・工学どちらかを専門とするパターンもあります。そのため、理学にも工学にも興味があるという方にはおすすめの学部です。

理工学部には、以下のような学科があります。

・情報処理学科
情報処理システム開発に携わるIT技術者の育成を目指す学科です。 主に、データベースシステムの開発・運用・管理やプログラム開発、業務アプリケーションの設計構築などの技術を学びます。

・建築学科
建物の仕組みや設計方法など、建築に関する知識・技術を学びます。設計だけでなく、建築物の構造や設備、環境など建築における幅広い知識を学習します。また、建築学科に欠かせないのが「設計図面」。図面の読み書きをはじめ、模型作りや実験・実習、建造物の見学等、座学から実地学習まで行います。

・電気電子工学科
電気工学から独立したエレクトロニクス分野(テレビなどの電子機器に関する分野)に情報工学を取り入れた知識・技術を学びます。知識と研究を通して専門性の高い技術者の育成を目指します。

・機械工学科
機械類の仕組みを研究し、機械を作るための技術や知識を学びます。ただ作るだけではなく、機械を動かす方法や安全性など、力学を中心に機械について理論的に理解し、製品の作成に役立てます。

・土木工学科
社会を支える施設の建設・維持管理と、自然環境の維持を工学的に追究する学科です。対象範囲は幅広く、道路や水道などのインフラの整備から環境保全、災害対策まで含まれます。

理工学部の主な就職先

・IT業界
・情報通信業界
・金融業界
・メーカー業界

理工学部卒の学生はニーズが高く、就職率も高いことが特徴です。卒業生は、ものづくりの知識を活かしてメーカーや情報通信産業などのエンジニアとして活躍しています。数値データを解析する業務の多い金融業界なども人気です。
理工学部では、さらに高度な研究の場を求めて、大学院に進学する学生も少なくありません。

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農作物の生産や栽培について学ぶ農学部

農業に関する専門学部です。農作物などの栽培・生産技術だけでなく、社会的側面や農業経営、政策について研究します。農場などでの実習を設けている大学も多くあります。

農学概論や土壌学などの農学の基本科目を学ぶとともに、生物学・物理学・化学などの基礎的な自然科学の科目も学んでいくため、理系の知識も必要となる学部です。農業というテーマから、大学によってはフィールドワークを多く取り入れるなど、講義だけでなく実習も充実した学部と言えるでしょう。

農学部には、次のような学科があります。

・農学科
・農芸化学科
・農業工学科
・農業経済学科
・生物資源科学科
・生物環境学科
・森林科学科
・林学科
・林産学科
・食生命化学科
・食農ビジネス学科

農学部の主な就職先

・食品メーカー・飲料メーカー
・化粧品会社・製薬会社
・大規模農家(ファーム)
・農業協同組合(JA)

農学部では食に関する分野を学ぶため、食品・飲料メーカーも人気の業種となっています。その他の就職先では、 農薬や肥料などを開発する企業や種苗メーカー、植物リース関連の企業など、農業や植物に関連する職種などがあります。

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歯科医を目指し歯の健康について学ぶ歯学部

歯と口腔の健康について専門的な知識を学び、歯科医師を目指す学科です。他の医師資格と同様、歯科医師になるには国家試験に合格する必要があります。歯学部を卒業後に国家試験の受験資格が得られ、国家試験に合格することで歯科医師になることができます。そのため、歯科医師を目指す方は、歯科大学や歯学部で6年間の教育を受けることが歯科医師への第一歩となります。

歯学部の学科は、ほとんどが歯科医師を目指すための専門知識と技術を学ぶ「歯学科」ですが、大学の中には「口腔保健学科」や「口腔生命福祉学科」など、独自の学科を設けている場合もあります。

歯学部の主な就職先

・病院医
・研究医
・公務員

歯学部を卒業した多くの学生が、開業医や勤務医として病院に就職します。また、大学などの研究機関で研究医として働く道もあります。医療技官や歯科医官といった職種で公務員として働くことも可能です。

運動と健康の関係性について研究するスポーツ健康科学部

スポーツ、栄養、教育心理の3つの観点から、スポーツの指導法を学びます。スポーツ健康科学部では、コーチングやトレーニング論などスポーツ指導に関する実践的な知識や、スポーツ心理学など専門性の高い知識を習得できます。履修科目によっては保健体育の教員免許や健康運動指導士などの資格も取得できます。

スポーツ健康科学部の主な就職先

・スポーツ指導者
・スポーツ・健康関連企業
・中学校・高等学校保健体育教諭

スポーツ健康科学部の就職先としては、スポーツや健康分野に関する業種が人気です。教員免許を取得できる学校もあるため、保健体育の教諭を目指す人もいます。スポーツだけでなく、食や健康に関わる業種への就職も多く、さまざまな業種に活躍の場を広げられる点はスポーツ健康科学部の魅力と言えるでしょう。

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理系学部の選び方とポイント

理系の学部を選ぶ際は、得意な科目だけで選ぶのではなく、将来就きたい職業と学問との関連をよく考えておきましょう。専門知識を深めていく学部が多い理系の場合、選択した学部により、将来の職種の選択肢がある程度決まってきます。あとから後悔することのないよう、将来就きたい職業も考慮し、学部を選ぶ必要があるでしょう。

また、複数の大学を調べて、よく比較して選択することも欠かせません。学部・学科には、大学ごとにさまざまな特色があり、そこでしか学べない内容もあります。将来、好きなことを仕事につなげるためにも、学部を選ぶ際には自分自身の将来像をイメージして選択するようにしましょう。

理系には「医学部」や「歯学部」など、わかりやすく将来が想像しやすい学部も多くあります。しかし、ご紹介した学部・学科は一部であり、大学によってカリキュラムや内容はさまざまです。学べる内容にも差異があるため、同じ学部でも大学別によく比較することが大切です。

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