料理の道に進みたいと考えている人には、資格が必要になってきます。そこで、資格をベースに進路を考えていきましょう。ここでは、料理に関する仕事に就く場合どのような資格を持っていると有利か、という点から学校の選び方をお伝えしていきます。大学と専門学校のどちらで学ぶのがよいのか考えながら読み進めてみてください。
料理に関する業界で最も需要の高い資格は、「調理師免許」と「管理栄養士」でしょう。この2つの資格について以下に詳しく解説していきます。
調理師免許は日本独自の国家資格。「栄養学」、「衛生法規」、「食品衛生学」、「公衆衛生学」、「食品学」、「調理理論」、「食文化概論」の7科目の知識を持った、料理に関するプロの証の資格です。この免許を取得することで「調理師」と名乗ることができます。この資格の取得方法は、2通りあります。
1つ目は、厚生労働大臣が指定した調理師専門学校等に通い卒業する方法です。専門学校によって修業年数は変わってきます。1年制のところもあれば2年制のところもありますので、将来を見据えたときにどういう学校が自分のスキルアップに役立つのかといった基準から考えてみるとよいでしょう。
2つ目は、飲食店での実務経験を2年以上積む方法。2年の実務経験を積むと、調理師免許の受験資格を得ることができます。その後、調理師免許の国家試験に合格すれば、調理師になることができます。ちなみに合格率は約60%です。
管理栄養士は、栄養士法に基づいた国家資格です。「社会・環境と健康」、「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」、「食べ物と健康」、「基礎栄養学」、「応用栄養学」、「栄養経論」、「臨床栄養学」、「公衆栄養学」、「給食経営管理論」の9科目の試験があります。
管理栄養士の資格を受験するには、栄養士の資格が必要となることに注意が必要です。栄養士と管理栄養士はどちらも国家資格ですがその違いは、より高度な栄養指導ができるのが管理栄養士になります。栄養士や栄養管理士の資格を取得すれば、食育・料理教室業界や給食業界で活躍できるでしょう。気になるのは資格の取得方法。それぞれの資格取得方法について分けて紹介していきます。
栄養士の資格は厚生労働大臣が指定した栄養士専門学校等や栄養学科のある大学を卒業することで取得できます。この際の修業年数は2年~4年です。
続いて、管理栄養士の資格を取得するには、卒業した大学や専門学校で学んだ年数によって、1年~3年以上の栄養指導業務(給食の献立作成、食材の選択など)の実務経験を積むと受験資格を得ることができます。学費の相場は大学と専門学校ともに年間約100万円~130万円(初年度入学金は50万円程度)です。2年制の専門学校を卒業すると3年の実務経験が、3年制の専門学校を卒業すると2年の実務経験が、4年制の専門学校や大学を卒業すると1年の実務経験が必要になります。
栄養士だけでよいという場合は専門学校に進学して短い期間で集中して勉強するほうがよいかもしれません。専門学校の場合にはいち早く現場に出て経験を積むことができるでしょう。栄養士よりも高度な栄養管理士を目指す予定なら大学に進学し、腰を据えてじっくりと学ぶ時間を作るのもおすすめです。
大学で腰を据えて勉強して料理に関する知識を深めるのもよいですし、専門学校で必要な知識を効率よく学び、いち早く現場で経験を積むのもよいでしょう。どちらにしたいか自分の胸に手をあててよく考えてみてください。
大学にしようか専門学校にしようか迷っている学生はもちろんのこと、どちらかに決めている学生も一度は大学のオープンキャンパスと専門学校の体験入学に参加することをおすすめします。自分で体験して、実際の空気を肌で感じて後悔のない進路選択をしていきましょう。