奨学金の中には、返済不要なものもあります。それが給付型奨学金です。ここでは、給付型奨学金制度について詳しく説明します。
大学の学費を奨学金でまかなう学生はたくさんいます。一般的な奨学金は、大学卒業後に受給した金額を返済しなければなりません。しかし給付型奨学金であれば、返済する必要はありません。給付型奨学金は、進学する意欲があるのに経済的な理由から進学が困難という人に対して、進学の機会を与えることを目的に作られた制度です。そのため、貸与型奨学金とは異なり、大学卒業後に奨学金を返済する義務がありません。奨学金の返済は卒業後十数年にわたって続くのが一般的なので、この負担がなくて済むのは大きなメリットといえるでしょう。ただし、給付型奨学金には厳しい受給条件が設けられており、誰でも受給できるわけではありません。
利用する奨学金機関によって違いはありますが、成績が優秀であること、経済的に進学が困難な状況であることなどが、主な受給条件になります。成績に関しては、貸与型の第一種奨学金(利子が付かない奨学金)よりも厳しい条件となっていることが一般的です。日本学生支援機構では、住民税非課税世帯や児童養護施設入所者といった経済面の条件を設けています。経済面と成績以外にも、スポーツや文化活動、論文コンテストなどの実績が審査対象となることもあります。また、地方出身者や自然災害による被害を受けた学生などを対象とするものもあります。
給付型奨学金を実施している機関としては、各大学のほか、日本学生支援機構や地方自治体などが挙げられます。また地方自治体では、篤志家から寄付を集め、そのお金を使って奨学金としていることもあります。一部の大学では大学独自の給付型奨学金があり、受給できる条件も学校によって異なります。