大学によっては高額な学費が必要です。そのため奨学金制度を利用して大学へ進学するという学生も少なくありません。奨学金制度には、貸与型と給付型の2種類があり、貸与型には返済義務が生じます。ここでは、万が一奨学金を返済できなくなった際に、どのような事態になるか説明します。
日本学生支援機構から貸与型の奨学金を借りた場合、返済義務が生じるので、必ず返済しなくてはいけません。返済ができず、規定の返済期間を超えて延滞が続くと、個人信用情報機関に登録されてしまいます。そして、個人信用情報機関に登録されると、新しくクレジットカードが作れなくなったり、住宅ローンの利用ができなくなったりします。これは、カード会社やローン会社が、過去にお金に関するトラブルがないか、個人信用情報機関に確認をとるためです。
個人信用情報には、延滞履歴や自己破産などの情報が記載されます。貸与型の奨学金も、ローンと同様に、延滞が続けば個人信用情報を管理する機関にブラックリストとして記録が残ってしまうのです。さらに延滞が続けば、法的処置として延滞金が課せられるようになり、ますます返済の負担が増えてしまいます。そのため、最終的には自己破産となってしまうケースも少なくありません。
どうしても奨学金の返済ができない場合は、利用先の奨学金機関に救済措置が受けられないか相談しましょう。日本学生支援機構では、「減額返還制度」や「返還期限猶予制度」といった制度が設けられています。減額返還制度とは、一定期間の返済額を2分の1に減額し、なおかつ減額返還適用期間に応じた分の期間を延長してくれる制度のことです。一方の返還期限猶予制度は、一定期間だけ返済を停止して、支払いを先送りにできる制度のことです。災害や病気、失業などにより奨学金の返済が困難になった場合、これらの制度を利用して延滞を防ぎましょう。