一般的に、高校2年生の秋ごろまでには、進路を決めておいたほうがよいと言われています。なぜなら、高校3年生でとる授業は2年生の秋ごろには、決めなければなりません。そして、そこで選んだ科目を使って、大学受験にのぞむことになります。そのため、2年生のうちに行きたい大学や学部を決めておき、受験に関係する科目を履修する必要があるわけです。では、ほとんどの高校生が2年生の秋ごろまでに進路を決めているかと言えば、そんなことはありません。決まっていない人も大勢います。ここでは、進路が決まっている人だけでなく「まだ将来どうすればいいのかわからない」という人が、進路にむけて高校時代に何をしておくべきなのか、解説していきます。
進路が決まっていない高校生は大勢いますし、あまり不安に思う必要はありません。これから自分の進みたい方向を探っていけばよいのです。しかし、「じゃあどうやって進路決めればいいの?」と疑問を持つ人も多いでしょう。「やりたいことなんてない」という人もいると思います。
まず大前提として、進路が決まっている人も「100%自分に合った進路」を選択しているかと言えば、そうとは限りません。「興味があるから」、「とりあえず大学卒業したいから」など、そこまで理由が明確でないこともあるのです。しかし、そういう人の中にも大学に入ってから自分のやりたいことを発見する人はいますし、就職してから仕事の面白さに気づく人もいます。絶対に自分にピッタリ合った進路を見つけようとするよりも、たとえ1%しか興味がなくても、進路の1つとして考える姿勢が重要なのかもしれません。「100%自分に合った進路」という考え方を一旦脇に置いたうえで、以下の方法を実践してみてください。
「未来フィットネス」は、いくつかの項目に「はい」、「どちらでもない」、「いいえ」の中から選んで答えるだけで適正・適職診断ができます。簡単にできるので一度試してみましょう。
自己分析とは、文字通り、自分の興味や自分の性格をよく理解するために行う分析のことです。自己分析には多くの種類がありますが、ここでは一般的なものを紹介します。
やり方は簡単です。紙とペンを用意し、以下に記した項目を見ながらどんどんペンを動かしてみましょう。
・好きなこと、趣味、やりたいこと
「ゲームが好き」、「スポーツが好き」など、進路に関係がなさそうなことでも、どんどん書いていきましょう。最近感動したことや、ほめられたこと、楽しかったことを書いても構いません。大事なのはポジティブな内容をたくさん書くことです。
・嫌いなこと、やりたくないこと
こちらは「好きなこと」の逆です。「友達ができるか不安」、「気を使われるのが苦手」など何でもよいので書いていきましょう。就きたくない職業をリストアップするのでも構いません。自分の嫌いなことと好きなことを明確にしておけば、自ずと進むべき方向が見えてきます。
・自分の年表
小学生くらいまでさかのぼって自分がたどってきた人生を振り返ってみましょう。「中学1年生のころに好きだった子の影響で、マンガを読むようになった」のように、自分にとって印象的だった出来事を詳しく書き出してください。自分の変化や、自分の感情の動きにも着目して、作成を進めましょう。どんなことに興味を持って生きてきたのか、どんな人から影響を受けて生きてきたのかがわかるので、自分を再発見することができます。
以上が自己分析に必要な項目です。挙げた内容を見ながら、「どうして○○が好きなのか・嫌いなのか」、それぞれ理由を考えてみましょう。自分が何に興味を持っているのか、何が得意なのかなどを知るきっかけになります。自分をよく知ることで、進路を決めるうえでのヒントが得られるかもしれません。
すでに行きたい大学や専門学校が決まっている人、自己分析をしてみて決まった人は自分の進路に向けて行動しましょう。
大学入試の問題は原則として、教科書に書かれている内容から出題されます。教科書の全範囲が試験範囲となるわけです。そうなると、「教科書の内容を全部暗記しよう」とする人がいます。しかし、それはあまり効率的ではありません。
例えば、国語の勉強をする時に「まず漢字を覚えよう」とするのは、あまりおすすめしません。というのも、ほとんどの国語の試験問題において「漢字」が占める割合は極めて少なく、点数で言えば100点満点中「5点~10点」くらいでしかありません。もし志望校の試験問題に漢字がたくさん出ていれば勉強するべきですが、そうでない場合は、漢字の勉強よりも点数の高い読解問題を解けるように訓練したほうがよほど効率的ですし、読解に必要な語彙力が自然と身につきます。英単語についても同じようなことが言えます。英単語を勉強する時、単語の意味を理解できるだけでなく、単語の綴(つづ)りまで完璧に書こうとする人がいます。しかし、志望校の問題がマーク式だった場合、綴りが書けるかどうかは重要ではありません。単語を見て、意味さえ理解できれば解けてしまうからです。反対に、記述問題がある大学の試験であれば、単語を書く必要があるので、綴りまできちんと覚えなければなりません。
このように、志望校によって勉強法は変わってきます。ただ漠然と暗記しようとするのではなく、志望校の問題を分析したうえで、勉強を進めたほうが効率的なのです。まずは、受験勉強を開始する前に、志望校の過去問題集を手に入れましょう。過去問題の傾向を分析して自分が何を勉強し、何を勉強しないのかはっきりさせることが大切です。「何を勉強しないのか」という視点は重要ですので、ぜひ意識して受験戦略を立てましょう。