推薦入試でも学科試験を実施している大学はあります。推薦入試では、主に書類の審査、面接、小論文などで評価が決まりますが、文科省の方針によって学力を基準に考える大学が増えているのです。ここでは推薦入試の学科試験について説明します。
推薦入試であっても、学科試験を実施する大学では、一般入試と同じように一定レベルの学力が必要になります。ただし、大学や学部によって、学科試験の出題科目が異なるため、事前に確認しましょう。近年の国立大の推薦入試では、センター試験の受験が課されることもあります。この場合、書類や面接での評価も重要ですが、センター試験の得点も合否に大きな影響を与えます。学科試験を課す大学の推薦入試では、面接や小論文対策だけではなく、センター試験対策も同時に行いましょう。
推薦入試で学科試験が行われる場合、文学部や法学部、経済学部といった文系学部では、国語や外国語などのコミュニケーション力を問う科目が出題されるのが一般的です。また、医学部や理工学部、農学部であれば、理科や数学といった専門科目を出題する大学が多いようです。まずは対策するべき教科をチェックし、過去問を解くなどして、学科試験対策を行いましょう。
2017年、文部科学省専門会議で議論中の大学入試改革に関する報告の中で、AO入試や推薦入試においても学力検査を課す方針が打ち出されました。推薦入試では、学科試験は実施されず、面接や書類審査などの評価で合否が決まるのが一般的です。しかし、学科試験を受けずに進学した場合、実際の実力に見合っていない大学に入学するリスクがあります。例えば、一般入試では合格が難しいと思われる大学に推薦で進学した場合、授業についていけず、途中で脱落してしまうことがあります。こういった入学前と入学後の学力レベルの差を減らすために、推薦入試であっても学科試験を行う大学が増えているのです。