入試難易度の変化については、大学によって異なるため一概は言えません。ただし、現在は学力だけを見る入学試験だけではなく、人物重視の入学試験を行う大学が増えています。そのため、評価基準が増え、受験生自身が得意分野を生かしやすくなりました。このことによって、入学がしやすくなった大学もいくつか存在します。さらに、少子化による受験者数の減少にともない、大学の合格率は上昇傾向にあります。
入試難易度が変わる仕組みには様々な要因があります。例えば、学校の共学化など学校そのものが大きく変わる場合や、推薦基準のような入試制度の内容を変更する場合などです。さらに、前年の入試倍率が高かったため、次年度は応募者が敬遠して入試倍率が減少するといったように、受験生の動きによっても入試難易度は変化します。
文科省が公表している「学校基本調査」によると、大学受験競争が最も激しかったのは、1990年です。この年の志願者は89万人、そのうち合格者は49万人(約55%)になるため、40万人(約45%)の受験生が不合格になった計算になります。この年以降は、大学の合格率は上昇傾向にあります。理由の1つとして、少子化により大学進学希望者の数も減少していることが挙げられます。
大学入試試験を受験する現役高校生の人口は、著しく減少しています。大学進学者が増える一方で、少子化により18歳人口も減少し、大学進学希望者の総数が全大学の定員の合計を下回るという状況になりました。つまり、えり好みさえしなければ、誰でも大学に進学することができるのです。この状況は、「大学全入時代」と呼ばれています。
また、2000年代に入ってからは4割以上の私立大学で、入学者が定員に満たないという現象が起こっています。このような動きを受けて、大学の入試難易度が変化し、多様な個性や素質をそなえた学生を選抜するといった、人物重視の入学試験が行われるようになったのです。
大学の全体的な合格率は上昇していますが、志望する大学に必ず入学できるとは限りません。進学先を選ぶ際は、入試の難易度や競争率をしっかり考慮しましょう。