入試改革とは、大学の入試制度を改めることです。入試改革は、文部科学省の中央教育審議会において、今後の大学入試のあり方や、今までの入試の問題点などが議論されて行われます。
2020年度から施行される入試改革において、現在とは大きく違った入試制度が導入されることになりました。大きな変更点はセンター試験の廃止で、新たに学力や適性を問う2種類のテストが導入される予定です。また、センター試験廃止に伴い、試験の内容や受験方法の変更も予定されています。
センター試験に代わって、2020年度から正式に実施されるテストのひとつが「高等学校基礎学力テスト」です。高等学校基礎学力テストは、基礎学力の定着度の把握や学習意欲の喚起、学習方法の改善などを目的に行われます。英語、数学、国語の3教科で実施され、主に、知識や技能を問う問題が中心となります。センター試験とは異なり、年に2回任意で受験できるほか、実施する教科についても、一部の教科・科目を選択して受けることが可能です。
新しく導入されるもう一方のテストが、「大学入学希望者学力評価テスト」です。これは大学入学者の選抜を目的としたもので、センター試験に代わるテストと想定されています。知識や技能だけでなく、思考力、判断力、表現力を評価するという意図があります。このテストの大きな特徴としては、各教科の区別がなくなり、理系の問題の中に文系の要素が入ってくるといった点です。総合的な学力が問われると言えるでしょう。
センター試験のみならず、各大学で実施される個別試験も大きく変わります。国立大学では、入試の中に、小論文、面接、集団討論、プレゼンテーションなどを活用する意向を、文部科学省の中央教育審議会が公表しています。また、推薦試験やAO入試の区分を廃止して、新たなルールを構築する方針も検討段階です。