足切りとは、センター試験を受けた段階で一定の水準に達していない受験生に、2次試験の受験資格を与えないことです。足切りが大学入試に採用されているかは大学によって異なります。
入試の足切りは、主に国立大学の入試で行われます。まず入試の制度として、国立大学を受験する場合、センター試験を1次試験として受験します。その点数を持ち点として、後日2次試験を受験し、合計点で合否が決まるのが一般的です。しかし、一部の大学では、センター試験の結果が出た時点で、一定の水準に達しなかった受験生に対して2次試験の受験資格を与えないことがあります。これが足切りの仕組みです。
大学が足切りを行う理由は、受験生の数を絞るためです。国公立大学は定員に対して、非常に多くの受験生が受験します。2次試験の採点はその大学の教授が行うため、あまりにも受験人数が多い場合、採点の労力が増えてしまいます。また、受験人数が殺到してしまうと受験会場が確保できない場合もあります。そのため、センター試験の結果が出た段階で、ある程度の人数まで受験生をふるいにかける大学が出てくるのです。
私立大学の入試では、基本的に足切りがありません。記述式の試験が多い国立大学と違い、私立大学の入試はマーク式で行われることが多いため、採点の手間がかからないのです。ただし、マーク式と記述式の両方を採用している私立大学においては、マーク式部分で一定の得点に満たない場合、記述式部分の採点が行われることなく、不合格となる場合があります。
足切りを受けないためにもセンター試験対策は必須です。いくら2次試験の対策をしても、センター試験で足切りを受けてしまっては、 2次試験を受験することすらできません。つまり、大学受験においてセンター試験の対策は非常に重要なのです。志望大学に足切りの制度があり、大学の指定する一定水準を下回る可能性がある場合、志望大学を変える判断も必要です。