入試の倍率とは、入試の難易度を示す数値で、「競争率」と呼ばれる場合もあります。ここでは、入試の倍率について、種類や算出方法について説明します。
大学の入試倍率には、志願倍率と実質倍率の2種類があります。志願倍率とは、募集者数に対して受験志願者がどれだけいるかを示す倍率です。一方、実質倍率とは、合格者数に対してどれだけの人が受験したかを示す倍率になります。
志願倍率は、志願者数÷募集人員で計算した倍率です。例えば、40人の定員に対して120名の志願者がいた場合、(120÷40)で志願倍率は3倍になります。ただし志願倍率は、あくまで志願者の数で算出したものであり、このうち志願したのに実際は受験をしない人が出てくるかもしれません。受験前に志望校の難易度をはかるための目安と考えましょう。
実質倍率は、受験者数÷合格者数で計算した倍率です。例えば、受験者数が志願者より減って100人、反対に合格者が増えて50人だった場合、(100÷50)で実質倍率は2倍となります。実質倍率は実際の入試状況を反映した数値になりますが、入試が終了した後でないと判明しません。このように、倍率の算出方法はそれぞれ異なるため、志願倍率と実質倍率が必ずしも合致するとは限りません。
一般入試で何名、推薦入試で何名といったように、入試方法ごとに定員数が決まっている大学もあります。その場合は、同じ学校でも入試方法によって倍率が異なります。いずれの入試方法でも、倍率が高くなるほど、試験の合格が難しくなると言えるでしょう。
定員割れとは、募集人数に対して、受験した人数が下回ることです。この場合、一般的には、受験者が合格点を超えれば、ほぼ間違いなく合格は確定とされます。しかし、合格できる基準点に満たない場合については、定員割れしていても不合格になるケースもあります。確実に合格するために、倍率が低い大学を選んでしまうと、自身が満足できる学習が行えない場合があるので注意しましょう。