大学のことを調べている中で「リベラルアーツ」や「リベラルアーツ教育」といった言葉を目にしたことはありませんか?それと同時に「リベラルアーツってなに?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。リベラルアーツを日本語に訳すと、「一般教養」です。とは言ってもよく分かりませんよね。そこで、ここではリベラルアーツについて詳しく説明していきます。
リベラルアーツを日本語に訳すと、「一般教養」という意味です。日本の大学では一般的な浅く広い教養を学ぶよりも、それぞれの学部に特化した専門的なものを勉強・研究することに重きを置いていました。現に日本の大学に入学する際には学部ごとの入試となっており、入試の科目数もごくわずかになっています。得意な教科を絞り、少ない科目を突き詰めていくことが大学合格の近道となっているのです。大学入学後は専門教育のために教養を勉強するという仕組みになっています。
ところが、それに比べて世界大学ランキングの上位を占めるアメリカの大学では、学士課程(大学の学部)の4年間を通じて教養を教えています。そうした大学のことを「リベラルアーツカレッジ」と呼んでいます。専門教育のための教養という位置づけとしていないという特徴があります。
日本の学校制度では「正解」が求められるケースが多い傾向にあります。定期テストも入学試験もすべてマルかバツかで、正解の数が多いほうが優秀な成績となり、試験に合格します。しかし、現代の社会は答えのない問いに囲まれています。誰かが「Aが正しい」と主張し、その一方で誰かが「Bこそが正しい」と主張する場面は多々あるでしょう。その規模が大きければ、国際紛争になって表れますし、小さければ食卓の小競り合いとなります。そこで必要になるのは多様な意見を理解する力なのです。このような理解力を養成するために、リベラルアーツ教育が役に立ちます。様々な学問を学ぶうちに多角的な視点を身につけることができます。そうしたリベラルアーツ教育は、相手を理解する力を養い、育てる糧となるのです。
また、現代の社会では「問い」さえも自ら見つける必要があります。リベラルアーツ教育は、その課題発見能力の養成にも役立ちます。多角的な視点で世間を見られるようになることで、社会に対しての疑問が生まれます。その疑問を抱く力が、まさに課題発見能力というわけです。専門分野の研究だけでは見えてこない視点を養うためにリベラルアーツ教育が必要になります。リベラルアーツ教育で行うのは、ただ単に幅広い知識の習得だけではありません。グループワークによる問題発見・解決型の授業などが行われます。実践的に課題発見の教育をしているのです。
以上、リベラルアーツについて説明してきました。多角的な視点を持って、様々な意見を受け入れる力を養うためにも、リベラルアーツ教育は大切なポイントとなります。興味のある人はリベラルアーツ教育を推進している大学を検索してみてはいかがでしょうか。