高校卒業後の進学先の学校を決める際に、ぜひ利用していただきたいのが「オープンキャンパス」です。しかし、オープンキャンパスとは何か、参加する意味や開催場所はどこかなど、わからないことだらけの人もいるかもしれません。今回は、オープンキャンパスの概要と参加すると得られる意義などを解説します。
[目次]
■オープンキャンパスとは
■オープンキャンパスに参加する意味とは?
・学校になじめそうかチェック
・学校の設備をチェック
・受験勉強のモチベーションアップにつながる
■オープンキャンパスで用意されている色々なイベント
■オープンキャンパスが開催される場所はどこ?
・見学する場所を間違えないように注意!
・遠くの学校でもチャンスはある
・オンラインオープンキャンパス
■志望校以外にも行ってみよう
■志望校が決まっていない人はどうしたらよい?
■大学のオープンキャンパスや体験入学を検索してみよう
オープンキャンパスとは、大学や専門学校が入学希望者に向けて学校を紹介するための「入学促進イベント」です。学校によっては、「オープンキャンパス」という言い方ではなく、「体験入学」や「オープンスクール」と称して開催するところもあります。オープンキャンパスに参加すると、学長や学部長からのお話が聞けますし、体験授業への参加や、教室・研究室・部室など学校設備の見学、サークルや部活動の紹介、就職実績、学校で取得できる資格などがわかるので、校風や実際に通っている学生たちの雰囲気を知ることができ、学校案内パンフレットだけではわからない情報を得られます。
経営側の思惑としては、少子化を背景に、より多くの高校生に学校のことを知ってもらい、受験生を確保したいという「生徒募集」的意味合いもありますが、学校内部を公開し入学後の学生生活をイメージできる場を与えることで、学校側が求める学生像とのミスマッチを防ぐ目的もあります。
インターネット上の学校情報やパンフレット、口コミを閲覧することで、その学校における大体の概要はつかめるため、オープンキャンパスに参加する意味を見出せない人もいるかもしれません。しかし、志望校がいくつか決まったら、スケジュールを調整してオープンキャンパスに参加し、実際に学校に出向いてみましょう。ここでは、オープンキャンパスに参加する意味について解説します。
ネット上の情報や冊子から得られる情報というのは、いわゆる「バーチャル」なものです。実際に学校に出向いて身を持って体験してみないと、自分が進学後に有意義な学生生活が送れそうな学校なのか、判断することはできないでしょう。
大学や専門学校は、高校とは雰囲気が全く違います。いくつかの学校のオープンキャンパスに参加すると、興味を持った学校が実際にはどんな学校なのかがよくわかります。「ずっとあこがれていた学校だけれど、自分には合わない」と感じることもあるかもしれませんし、「ネットで得られる情報ではさほどそそられるところはなかったけれど、すごく相性がよさそうだ」と感じる学校もあるかもしれません。
学校のことを良く知らないまま入学してしまい、授業でもサークルでもうまくなじめず、つまらないと思いながら灰色の学生生活を送ったり、最悪の場合は退学してしまったりする人もいますが、せっかく夢や志を持って進学したのに、そういう事態に陥ってしまうのは非常にもったいないことです。しかしオープンキャンパスに参加して在校生と会話をしたり、サークルを見学してみたりすると、自分とその学校の相性がいいのかどうか考えるための大切な判断材料になります。
オープンキャンパスに行ったら、学校の建物や図書館・自習室・パソコンルームなどの設備を確認し、設備の規模や利用時間をチェックしましょう。授業が終わったあとも遅くまで設備が利用できるのなら、自己学習にも役立てることがシミュレーションできますし、逆に利用時間が短かくて利用規約が厳しいと、たとえ環境が整っていてもうまく活用できないことが予想できます。
また、校内に設備されているパソコンやインストールされているソフトのバージョンも、新しいものを使用しているか確認しておくといいですね。その他にも学食の広さや料理の質、建物の新しさや何階建てか、校舎間移動はどのくらいかかるか、冷暖房はどうか、掃除は行き届いているかなどをチェックして、他の学校と比較しましょう。
オープンキャンパスに参加すると、勉強のモチベーションがアップします。もし受験勉強があまりはかどっていなかったり、スランプに陥ってしまって成績が思うように上がらなかったりしているなら、ぜひオープンキャンパスに参加してみてください。オープンキャンパスでは、入学後の楽しいキャンパスライフを想像できますので、「この学校の生徒になりたい」という強い思いが勉強するための原動力になるでしょう。また受験が近づいてくると「オープンキャンパスに参加するよりも勉強したい」と考える人もいますが、志望校を見学することで、追い込み時期のやる気がさらにパワーアップするかもしれません。入試会場がキャンパス内にあるのなら、下見をかねて行くのもおすすめです。
オープンキャンパスに参加すると何ができるのでしょうか? 学校によって違いもありますが、いくつかの例を紹介します。
このように様々な工夫を凝らして、入学希望者に学校の良いところを伝えてくれます。在校生と触れ合う機会を作ってくれる学校もあるので、現役の先輩からも学校についての話を聞いてみましょう。
オープンキャンパスは、基本的に学校のキャンパスや校舎で行われます。説明会のようなイベントは、ほとんどの場合キャンパス内の屋内で開催されますが、入場までの間しばらく外で待つことも考えられます。オープンキャンパスは7月〜11月に開催されることが多いので、気温の寒暖や急な雨に備え、ガーディガンや水分、折りたたみ傘の用意をしておきましょう。
キャンパスが複数ある学校は、見学に行く場所を間違えないように気を付けましょう。そもそもキャンパスとは、学校の校舎や校庭がある敷地のことを指します。複数の大学や専門学校が合併した学校、離れた場所に校舎を増設した学校はいくつかのキャンパスを持っているものです。キャンパスは学部や学年ごとに使い分けられているので、確認しないと自分に関係のない学科のキャンパスに到着してしまうこともあります。よく注意しましょう。
オープンキャンパスの開催時間は限られているので、複数のキャンパスに行くと時間が足りなくなる可能性があります。しかし、学年によって通うキャンパスが変わるところは、どちらも見学しておくのがおすすめです。オープンキャンパスに数回参加して、1回目はAキャンパス、2回目はBキャンパスというように日を分けて見学してもいいですね。学校がキャンパス間のシャトルバスを運行していることもあるので、目的のキャンパスを間違えたときや、複数のキャンパスを見て回りたいときには使ってみてください。
学校から遠いところに住んでいる人のために、複数の学校が合同で行う進学相談会や、出張オープンキャンパスなども全国で開催されています。規模にある程度の違いはありますが、多数の学校がブースにて学校の説明をしてくれるので、進路がはっきり決まっていない人の参加もおすすめです。
そういった進路相談会に参加してある程度志望校を絞ったあとに、お目当ての学校のオープンキャンパスに行ってもいいですね。遠方の学校のオープンキャンパスに参加する場合には交通費が支給されることもありますから、オープンキャンパスの参加案内を確認してみてください。
最近では、オンラインオープンキャンパス(WEBオープンキャンパス)を行う学校も多くなってきました。各大学の入試担当者が、Google Mapのストリートビューのようなパノラマ画像を使って校内案内をしたり、ライブ配信で入試について詳しく解説したり、オンライン個別相談(一部の大学)に対応してくれたりします。複数校が同日に合同で行うこともありますので、効率的な情報収集が可能です。学校によっては、オンラインオープンキャンパスとは別にYouTubeなどのSNSで動画チャンネルを作り、定期的に学校の紹介動画を公開しているところもあります。オンラインオープンキャンパスは自宅で視聴することになりますので、キャンパスを実際に訪れたときに感じられるような臨場感は薄れるかもしれませんが、感染症予防対策になることはもちろん、遠方のオープンキャンパスにも交通費や滞在費を気にすることなく気軽に参加できますから、スケジュールが合うときに参加してみましょう。
早めに志望校を絞ってしまうと、本当に自分に合う学校が見つからないかもしれません。そのためオープンキャンパスは、志望校だけに参加するのではなく、学びたい分野の学部がある複数の学校のオープンキャンパスにも参加してみましょう。様々な学校を見比べることで、改めて志望校の良さが分かったり、逆に他に魅力的な学校が出てきたりして、新たな自分の可能性を広げるきっかけになることもあります。
もし模擬授業が行われていれば、積極的に受けてみましょう。実際に先生の教え方や授業内容を体験してみて、すごく行きたいと思っていた志望校であっても「この学校は合わないかもしれないな」と思うことがあれば、入学前に進路変更を検討することができます。あまり早くに志望校を決めてしまうのではなく、多くの選択肢から本当に自分に合う学校を選ぶようにしてください。
志望校が決まっていない人は、どのように志望校を絞り込めばいいのか、迷うかもしれません。その場合は、以下のポイントでオープンキャンパスに参加する学校を選んでみてはいかがでしょうか。
これらを参考に、気になる複数の学校を洗い出し、オープンキャンパスに参加しましょう。それぞれどのような学校か知ることで、大学や専門学校への具体的なイメージが湧いてきます。そうすると、自分が学校に対して重視したいポイントが見えてくるので、そこから志望校を決めるようにしてください。
日本ドリコムが運営する「オープンキャンパス・体験入学を探そう」のサイトでは、以下の3つの方法から大学・短大・専門学校のオープンキャンパス・体験入学を検索できます。
①所在地・分野・日程を指定
②キーワード・学校名を指定
③地図から絞り込む
オープンキャンパスに参加することで、志望大学の環境や雰囲気、学べる学問のイメージがつかめます。「体験入学」は実際の授業や講義を体験できたり、図書館や学食などの施設を見学できたりなど、学校選びに役立つ学びがたくさんあります。
パンフレットやウェブサイトなどではわからないリアルな情報が得られ、学校ごとの強みやポイント、授業の雰囲気やどのような先生がいるのかもわかるので、気になる学校にはぜひ行ってみることをおすすめします。いくつかの学校を見比べると、本当にやりたいことや行きたい学校が見つかるかもしれません。
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