「動物に関する仕事に就くには大学と専門学校どちらがよいですか?」と疑問に感じている学生もいらっしゃるかもしれません。その前にまず、動物に関係する仕事にはどのような種類の仕事があるのかを知っておくとよいでしょう。希望する仕事によって必要となる資格は変わってきます。ここでは資格をベースとして動物に関する仕事について、それから進学先は大学がよいのか専門学校がよいのか見ていきましょう。自分自身、大学と専門学校のどちらで学ぶのがよいのか考えながら読み進めてみてください。
動物を扱う仕事には大きく分けて3つあります。「ペットビジネス系」、「獣医系」、「キューレーター系」です。それぞれの中にどのような仕事が含まれるか詳しく見ていきましょう。
ペットビジネス系の仕事には、以下のような仕事があります。
・ブリーダー
・トリマー
・ペットショップ
・トレーナー
・ペットシッター
獣医系の仕事には、以下のような仕事があります。
・動物病院
・獣医系技官
キューレーター系の仕事には、以下のような仕事があります。
・専門分野の動物園職員、水族館員
・博物館等の学芸員
「持っていると就職や実務に有利な民間資格」と「就職に必須の国家資格」で分類し、仕事ごとに紹介していきます。これを参考にして自分の希望する仕事にまつわる資格を知っておきましょう。
まずは、民間資格が必要になる、あるいは就職に有利になる仕事を紹介していきます。
■トリマー
トリマーは、犬や猫の美容師と言われている職業です。技術を取得して就職に有利になる資格「トリマー」は専門学校で取得できます。
■トレーナー
トレーナーは、主に犬のしつけや訓練を行う職業です。盲導犬や警察犬の訓練、ペットのしつけ教室などで活躍しています。トレーナーの資格には「ドッグトレーナー」、「公認訓練士」などがあります。
■ペットシッター
ペットシッターは、飼い主に代わってペットを預かって世話をする職業です。役立つ資格には「ペットシッター士」、「愛玩動物飼育管理士」等があります。
■動物園・水族館員
動物園や水族館の飼育員の場合、「飼育技師」の資格があると就職に有利です。ただし、動物の医療業務や水族館の潜水業務といった専門的な業務の仕事には国家資格が必要となります。
続いて、国家資格が必要になる仕事について紹介していきます。
■獣医
獣医となって動物病院に就職する際は獣医国家試験に合格し「獣医師免許」が必要です。
■獣医系技官
獣医系技官は、主に食品対策の業務を行う国家公務員の総合職です。「獣医師免許」が必要となります。
■動物園・水族館の専門職
動物園・水族館での専門的な業務、例えば動物の医療業務・繁殖業務・水族館の潜水業務などは「獣医師免許」や「潜水士」の資格が必要となります。
■博物館等の学芸員
博物館等の学芸員は、博物館法管轄の専門職員です。展示業務や研究者としての業務があります。資格は「学芸員資格認定」です。取得の方法は、大学で文部科学省の定める博物館に関する科目を習得し、学士の学位を取得すると学芸員資格試験を受験する資格を取得できます。
学士について詳しく知りたい場合にはこちらの「大学や専門学校で与えられる学位・称号の種類は?」をご覧ください。
最後に、資格が必要ない動物に関する仕事について紹介していきます。
■ブリーダー
ブリーダーは、犬や猫を繁殖させそれを販売する職業です。資格ではないですが、事業を行う場合は「動物取扱業の届け出」を各自治体に提出しなければなりません。
■ペットショップ経営者
ペットショップ経営者は、言うまでもなくペットを販売する店の経営者のこと。ブリーダーと同じで各自治体に「動物取扱業の届け出」の提出が必要です。
専門学校では実務で活躍するための授業が豊富にあります。特に資格取得は就職活動の成功に直結し、実務にも影響するものですから、資格をサポートする授業もあるのです。そのため、民間資格があると有利な仕事の場合には、手厚くサポートしてくれる専門学校に通うのもよいかもしれません。その一方、大学では幅広い知識を学ぶことができます。国家資格を受ける場合、大学卒業が資格の条件となっていることもありますので、大学へ進学しておくとよいかもしれません。このように、自分のなりたい仕事に必要な資格を確認して、それに向けて行動していくときに大学がよいのか専門学校がよいのか考えてみてください。
大学にしようか専門学校にしようか迷っている学生はもちろんのこと、どちらかに決めている学生も一度は大学のオープンキャンパスと専門学校の体験入学に参加することをおすすめします。自分で体験して、実際の空気を肌で感じて後悔のない進路選択をしていきましょう。