大学へ進学するとなると、当然ながら多くの学費が必要になります。学費を工面するために、奨学金を利用してローンを組む人もいます。しかし、特待生制度を使えば、ローンを組むことなく学費を抑えて、大学に通うことができます。場合によっては、4年間学費を払わずに大学へ通うことも可能です。「そもそも特待生制度って何?」、「特待生制度にはどんな種類があるの?」こうした疑問に答えつつ、どのようなメリットがあるのか特待生制度について詳しく解説いたします。
特待生制度とは、成績優秀な学生の学費を減免・免除する制度のことです。中学や高校でも特待生制度を設けている学校があるのと同じで、大学にも特待生制度があります。特待生制度の呼び方は、「資格特待生制度」、「特別給付奨学金制度」、「給付型奨学金制度」など奨学金という名前で呼び表すこともあり、その種類は多岐にわたります。大学それぞれに設置されている制度によって、免除される金額や期間や条件は異なります。このように多種多様な特待生制度ですが、大別すると以下の2種類に分けることができます。
特待生制度の中で最もポピュラーなのは、入学試験で優秀な成績を収めた学生の学費を減免・免除する形式です。つまり、入学試験で特待生を選抜するシステムです。これには、通常の入試で優秀な学生を特待生として選抜する方式と、はじめから「特待生選抜試験」のように、通常の試験とは別に特待生を選ぶことを目的にした試験を実施して、選抜する方式があります。特待生に選ばれると、入学金の免除や初年度の学費減免・免除、大学4年間の学費減免・免除など学費面で大きなメリットを得ることができます。ただし、4年間の学費が対象となった場合、毎年継続審査が入ります。引き続き学費を減免・免除するのにふさわしい成績を収めているのか審査され、基準に満たない時には特待生から外されることもあります。入学時だけでなく、入学後も特待生としてよい成績を収め続ける必要があるわけです。
もう1つは、在学中に優秀な成績を収めた学生の学費を減免・免除する制度です。大学内で実施される各科目の試験で、よい点数を取り、大学側が設定している基準をクリアした学生は特待生として学費が減免・免除されます。基本的には、1年間の学費が減免・免除されることになります。次年度も特待生として選抜されるためには、同じように大学が定める基準をクリアしなければなりません。また、これは入学試験で特待生に選ばれる時にも言える話ですが、特待生になるためには面接を受けなければならないこともあります。学力のみならず、人間性も審査の対象となるのです。
このように特待生になるためには、入学試験でよい成績を収めるか、入学後に大学の試験でよい成績を収めるかする必要があるのです。
特待生制度は、入学試験や大学のテストによって選抜されるものだけでなく、ほかにも様々な種類の制度が設けられています。例えば、「スポーツ特待生制度」や「資格特待生制度」といった種類の制度もあります。スポーツ特待生制度は、学業の優秀さというよりも、当該スポーツにおける優れた実績が求められます。資格特待生制度は、英検やTOEICなど特定の資格を保有していることで、学費が減免・免除される制度です。
ローンを組まなければならない奨学金とは違って、特待生制度を利用すればお金を借りることなく、学費を減免・免除することができます。特待生と聞くと、狭き門というイメージを持ちがちです。たしかに、実際、特待生に選ばれる人は限られています。しかし、上記のように、多様な特待生制度を設けている大学はありますし、入学試験では特待生になれなくても、入学後に優秀な成績を残し特待生に選ばれることは可能です。自分の志望校にはどんな特待生制度があるでしょうか?一度調べてみて、自分の希望に合う制度があれば、特待生になるべく挑戦してみるのもよいでしょう。