よくある質問
大学生活について

大学、専門学校には通信制ってある?

まず、大学にも専門学校にも通信制はあります。もちろん、すべての学校に用意されているわけではありませんが、現在、相当数の学校で通信制の導入が進められています。「仕事やアルバイトをしながらでも勉強したい」、「時間の空いている時に、自宅で勉強したい」、「学校が遠くて通うことが難しいけど、学びたい」という人のために設けられている制度が通信制です。とはいえ「通信制を受講してみようかな……」と考え始めた時、学費のことや資格のことなど、様々な不安や疑問が頭をよぎると思います。ここでは、通信制大学、通信制専門学校の2つに分けて、こうした不安や疑問に1つずつ答えていきます。以下の内容を参考にして、自分の求めていることが通信制で実現できるのか考えてみましょう。

通信制大学とは

通信制大学とは、大学の正規の課程を自宅でも受講できるように、通信制教育を整備した大学のことです。配布される教材やオンライン授業などを利用して、遠隔地にいる人でも仕事で忙しい人でも、通学にかかる費用や時間を抑えながら、自分の都合に合わせて学習できるのが通信制のよいところ。その勝手のよさから、10代の若者だけでなく、60代以上の人まで幅広い年齢層の学生が通信制大学で学んでいます。受講生の数は約24万人にも及ぶことがわかっており、生涯教育が叫ばれている昨今、なくてはならない教育システムとなっています。

学費は普通に通うより安いの?

通学制よりも通信制のほうが、学費は安く済みます。文部科学省の調べによると、私立大学の初年度納付金は合計で約132万円(平成28年度)となっています。一方で、通信制大学の学費は1年間で約20万円から60万円と、比較的に安く設定されています。通信制の場合、施設費などの費用がほとんど発生しませんので、通学するよりも安くなるのです。それだけでなく、大学に通うための交通費もかかりませんから、その点でも通信制のほうが費用の面ではお得です。

通信制大学には入学試験ってあるの?

通信制大学には、筆記試験等の入学試験がありません。大学と言えば「受験」のイメージを強く持つ人もいるでしょう。しかし、通信制大学は別です。通信制大学に入学するためには、入学試験ではなく書類選考を通過すればよいだけです。入学願書と健康診断証明書など、大学ごとが定めている必要書類を準備して提出し、書類選考に通過すれば晴れて入学することができます。

ただし、入学試験がないからといってすべての人が無条件に受講できるわけではないことに注意が必要です。大学卒業を目指す「正科生」として入学する場合には、「高等学校卒業程度認定試験」に合格していることが絶対条件ですので、その点には注意しましょう。

通信制大学で「学士」は取得できるの?

通信制大学でも学士を取得することはできます。一般的な大学と同じように、通信制大学でも、まず4年以上在学し124単位以上(その内、30単位分は面接授業またはメディアを利用して行う授業の単位)を取得する必要があります。そのうえで、卒業論文を提出し、面接試験をクリアすると卒業が認められ、同時に学士を取得することができます。

また、取得できるのは学士だけではなく、各種の教員免許状を取得することも可能です。正科生として入学し、教職課程も一緒に履修することで、卒業と同時に教員免許状が発行されます。通信制大学における教員免許状の取得について詳しくはこちらの、取得できる教員免許状等|私立大学通信教育協会をご覧ください。

大学によってはほかにも、図書館司書資格、学芸員資格、保育士資格など多岐にわたる資格を取得することができます。いま気になっている大学の通信課程ではどんな資格が取得できるでしょうか?一度調べてみるとよいでしょう。

通信制大学ではどのように学習を進めるの?

通信制大学での学習方法は、「大学通信教育設置基準」に規定されており、4つに分けることができます。それぞれの学習方法については以下の通りです。

1、 印刷教材等による授業
通信制大学で行われる授業は、印刷教材等による授業が大半を占めます。印刷教材等による授業では、まず履修手続きを完了させると、カリキュラムに基づいて教材が送られてきます。次に、その教材で自学自習を進めていき、一定の学習が終了したらレポートを作成して大学に送付します。すると、大学からレポートの添削が返ってくるので復習するなど、理解を深めるために活用することが可能です。数本のレポートをやり取りした後、試験会場で単位認定試験を受けて合格すれば単位を取得できます。これが印刷教材等による授業の流れです。

2、 放送授業
放送授業とは、ラジオ・テレビなどの媒体を通じて学習する方法です。単位を取得する流れは、印刷教材等による授業と同じで、レポートを提出し認められた後に、単位認定試験を受けることになります。放送授業の場合、録画しておけば何度でも見直せますので便利です。

3、 面接授業(スクーリング)
面接授業とは、大学に行って受ける授業のことです。通信制大学を卒業するためには、124単位以上取得する必要があるわけですが、その中の30単位は面接授業によって取得しなければなりません。通信制大学とはいえ、大学へ足を運ぶことはあるのです。印刷教材等では十分に学習効果が見込めない内容について、実習や実験などを通して学び、より深いレベルで知識を体得することが目的です。加えて、実際に大学に行くことによって学生としての意識が芽生えますし、学友や教職員との人間関係の形成にもつながります。

働きながら学びたい人にとって、面接授業への参加は難しいことかもしれません。しかし、各大学では様々なパターンの面接授業が設けられています。例えば、夏に集中的に学習する「昼間スクーリング」、夜間通学ができる「夜間スクーリング」、週末に開講する「土・日曜スクーリング」、地方で開講する「地方スクーリング」など、その種類は多岐にわたります。こうした各種の面接授業から自分の予定と合致するものを選びましょう。ちなみに、学生の特典として、面接授業時の交通費が支給されることもありますので、その辺りについても各大学のホームページで確認してみましょう。

4、 メディアを利用して行う授業
「面接授業に参加することは難しい」という人におすすめなのが、メディアを利用して行う授業です。インターネットを介してテレビ会議式のオンライン授業を受け、単位を取得することができます。オンライン授業は面接授業としてみなされますので、30単位分を取得するために大学へ足を運ばなくてもよいわけです。レポートの提出や小テスト、掲示板を利用したディスカッションなど、充実した内容の授業をインターネット上で受けることができます。どうしても大学へ行けないという人は、このメディアを利用して行う授業を履修するとよいでしょう。

通信制専門学校とは

通信制専門学校とは、自学自習を中心にして専門的な知識や技能を身につけられるよう通信制教育が整備されている学校のことです。通信制大学と同じように、アルバイトをしながら、または仕事をしながら学習したい人、学校に通うのが難しい人に便利な学習システムとなっています。通信制専門学校の場合、教養を身につけるというよりは、特殊な知識や技能を身につけたり、美容師や建築士など特定の資格を取得したりすることを目的にしています。通信課程であっても専門的な内容を集中的に学習できますから、「スキルを身につけて仕事に生かしたい」、「資格を取って働きたい」と考えている人にピッタリです。

学費は安くなるの?

通学するよりも通信制のほうが、学費は安く抑えられます。専門学校でも、2年以上学び続けるとなると、分野や学校によっても異なりますが、300万円近くの学費を用意しなければなりません。しかし、通信制であれば、その学費をおおよそ3分の1以下に抑えることが可能です。経済的に進学が難しい場合でも、通信制であれば通常よりも負担を軽くしながら、専門的な知識や技能を習得することができるのです。

通信制専門学校には入学試験ってあるの?

通信制専門学校の場合、入学試験の有無は、その学校によって異なります。入学試験がなく、書類選考に通過すれば入学できる学校や、筆記試験を設けている学校や、面接や小論文を入学試験にしている学校もあります。様々な形式があるため、入学試験については、専門学校やコースそれぞれの募集要項に目を通しておきましょう。

ただし、「専門士」の資格を取得したい場合は、「高等学校卒業程度認定試験」に合格している必要があります。こちらに関してはどの学校にも共通していますので、注意しましょう。

通信制専門学校で「専門士」は取得できるの?

専門課程を修了することで取得できる「専門士」ですが、通信制でも取得可能です。2年以上在学し、62単位以上を取得することで専門士の資格を得ることができます。また、62単位の中で年間120時間は対面授業(スクーリング)を実施しなければなりません。通信制大学と同じように、学校へ足を運ぶこともあるわけです。

このように通信制でも専門士の資格を取得できるわけですが、注意点もあります。入学を考えている学校が、認可校なのか無認可校なのかについてです。無認可校の場合、専門士の資格は取得できませんので、気をつけましょう。また、入学資格に「中学卒業以上」と書かれていることがあります。この場合は、専門課程ではなく高等課程の可能性があります。高等課程ですと、専門士の資格は得られません。上記の2点についてはよく確認しておきましょう。

通信制専門学校ではどのように学習を進めるの?

通信制専門学校の学習方法は、ほとんど通信制大学と同じです。もちろん学校によって様々な工夫はありますが、「専修学校設置基準」に示されている以下の3つの方法で授業が展開されています。基本的には上記で紹介した通信制大学の学習方法と似たものですので、簡略化して紹介します。

1、 印刷教材等による授業
入学が決まり授業料や教材費を納付すると、教材が届きます。教材に沿って自学自習を進めていき、レポートなどの課題を学校に提出します。レポートの添削指導を受け、最後に単位認定試験に合格すれば、単位を取得できます。

2、 対面授業(スクーリング)
通信制専門学校でも対面授業はあります。対面授業では、自宅ではできないような実践的な課題に取り組み、技術の向上に努めます。通信制大学と同じで、対面授業の実施時期は、学校によって多種多様です。土日や夜間に行きたい人は、各学校で対面授業がどのように実施されるのか、ホームページで確認してみましょう。

3、メディアを利用して行う授業
特にIT系の専門学校の場合、メディアを利用した授業が行われています。学生それぞれにIDが付与された後、学校専用の学習システムにアクセスすれば、パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末で学習を進めることができます。インターネット上から課題を提出したり、テストを受けたりすることも可能です。場所や時間に関係なく学習を進めたい人におすすめの学習方法になります。

「働きながら学びたい」、「遠隔地からでも授業を受けたい」こうした希望を叶えてくれる通信制について、詳しく紹介してきました。様々な授業スタイル、取得できる多様な資格、学費の安さなど多くの点で、通信制は優れています。通信制大学では最長で8年から12年、通信制専門学校であれば4年から6年ほどの間、自分のペースで学び続けることができます。もちろん自己管理ができないと、いつまでも卒業できませんが、取りたい資格や学びたい分野がはっきりしているのであれば、通信制を検討してみるのもよいでしょう。学校によっては就職活動の支援や、美術館の学割、奨学金制度など、通信制でも通学制に劣らず様々なオプションが用意されています。いま気になっている大学や専門学校には通信制が設置されているでしょうか?そして、その通信制ではどんな授業が行われているでしょうか?興味のある人は、さっそく調べてみましょう。

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