「ゼミ」とは特定の専門分野について少人数で学べる授業のことです。ゼミでは、与えられたテーマや自分の興味がある課題について研究したり、研究内容を発表したりします。ここでは、ゼミについて詳しく説明します。
高校と大学では、授業のスタイルが大きく異なります。そのなかでもゼミは、大学独特の教育方法です。大学の授業は「一斉授業」と「ゼミ」の2つのスタイルがあります。高校の授業と同じように1人の教授が多数の学生に向けて講義を行う「一斉授業」のスタイルが基本です。高校と違うのは学生の数です。高校では1クラス40人程度で行うのが主流ですが、大学では科目によっては500人を超える学生が一斉に授業を受けることもあります。一方「ゼミ」は1人の教授に対して少人数の学生が集まり、特定の専門分野について深く学ぶ授業形式です。そのため、学生1人ひとりの発言する回数が増えたり、学生が主体となって研究を行ったりするという特徴があります。
ゼミは特定の専門分野の知識について深く学べるだけではありません。社会に出てから役立つ知識も得られます。ゼミでは教授からの指導を受けたり、他の学生と意見を交換したりして研究を進めていきます。教授との関わりが増えたり他の学生と議論を繰り返したりすることで、マナーやコミュニケーション能力、議論の仕方、考え方など社会でも役に立つ能力が身につくのです。資料の調べ方やまとめ方、そして発表の仕方についても学べます。
大学には複数のゼミがあるので、事前に情報収集してから選びましょう。大学側から「シラバス」と呼ばれる、講義内容や科目のテーマ、評価方法が書かれた資料が配られます。ゼミの情報もシラバスに書いてあるので、それに目を通して興味があるゼミを探してみましょう。しかし、公開されている情報だけを見て「このゼミがいいな」と思っても、実際にゼミに入ってみるとイメージと違うこともあります。そのため、ゼミに入っている先輩の話を聞いてみることをおすすめします。ただし、人気のゼミは倍率が高く、希望通りに入れないこともあるので注意しましょう。