よくある質問
大学生活について

セメスター制って?

皆さんは「数学A」や「国語総合」といった1つの科目を、1年間かけて勉強しているのではないでしょうか。1学期は「生物基礎」を勉強して、「生物基礎」を受けていた時間を使って2学期は「化学基礎」、3学期は「地学」を勉強する、といったことはないでしょう。なぜなら、高校では1年を1つの区切りとしているからなのです。1年間を通して、授業を受けた時間数やテストの点数などから評価され、単位が与えられるかどうかが決まります。これは小・中学校でも同じ仕組みだったのではずです。ところが、大学に入るとその区切りが、これまでよりも短くなるのです。区切りの長さは、セメスター(semester)制やクォーター(quarter)制といった制度によって変わります。ここでは、そのセメスター制とクォーター制について解説していきます。大学がどの制度を採用しているかで、大学生活は大きく影響を受けますから、下の解説を読みながら自分の思い描くキャンパスライフに適した制度がどれか考えてみましょう。

セメスター制とは、半年で授業を完結させる制度

セメスター制とは、1年を春学期(4月~)と秋学期(10月~)の2つに分け、履修登録から授業、試験、成績発表、単位認定までを学期ごと(半年ごと)に完結させる制度のことです。つまりセメスター制では、半年間の授業で単位をもらうことができます。ここが、高校までと違うところです。高校までは1年間を区切りとしていましたが、大学のセメスター制では半年を区切りとしています。そのため、秋学期には、春学期に受けた授業とは違う授業を受けることができるのです。

昔は、小・中学校や高校と同じように、通年制を採用する大学が大半でしたが、最近ではセメスター制を採用する大学がほとんどです。文部科学省の調査「平成27年度の大学における教育内容等の改革状況について」によると、国公立・私立に関係なく95.7%の大学でセメスター制の授業が行われています。もちろん、こうした大学ではすべての授業がセメスター制ということではなく、セメスター制の授業と通年制の授業の両方を用意していることも多いです。これだけ多くの大学が採用しているセメスター制には、当然ですがメリットがあります。

セメスター制のメリット1:1年に2回、履修登録ができる

通年制では年1回しか履修登録することができません。しかし、セメスター制では春学期と秋学期の年2回、履修登録することができます。春学期に受けた授業とは違う分野に興味が出てきたり、アルバイトとの兼ね合いでスケジュールを組み直したくなったりした場合でも、秋学期の授業が本格的にスタートする前に、自分の受けたい授業を選び直すことができるのです。学生側の授業を選ぶ自由度が高くなり、より大学生活のプランを立てやすくなります。

セメスター制のメリット2:短期集中的に密度の濃い授業が受けられる

さらに、セメスター制の場合、通年制とは違って半年間(15週)という短期間で集中的に密度の濃い内容の授業を受けることができます。通年制ではどうしても中だるみしがちだった授業も、半年間だけ行われるセメスター制であれば、短期集中的に学習することができます。教員も短い期間で教えなければならず、授業内容の密度が増し、高い学習効果が期待できます。

このようにメリットのあるセメスター制ですが、近ごろはこのセメスター制をさらに細かく分けるクォーター制という学期制を採用する大学も増えてきました。クォーター制とはいったいどういった制度なのでしょうか?以下に見ていきましょう。

クォーター制とは、約8週間で授業を完結させる制度

クォーター制とは、1年を春学期前半・春学期後半、秋学期前半・秋学期後半の4つに分け、履修登録から授業、試験、成績発表、単位認定までを学期ごと(8週間ごと)に完結させる学期制のことです。つまり約8週間の授業を受けて、単位をもらうことができるのです。ただし、履修登録や成績発表のタイミングは大学ごとに異なります。例えば、授業自体は8週間で終了するものの、履修登録や成績発表はセメスター制と同じく半年ごとに行う大学もありますので、詳しくは大学それぞれのホームページで確認してみましょう。

海外の大学では珍しくないクォーター制ですが、日本ではまだ導入されて間もないこともあり、文部科学省の調査「平成27年度の大学における教育内容等の改革状況について」によると、国公立・私立大学でまだ2.8%しか採用されていません。しかし、グローバル化に対応するために、少しずつですがクォーター制を採用する大学が増えているのも事実です。クォーター制でグローバル化に対応するとはどういうことでしょうか?クォーター制を導入するメリットを挙げながらその点を含めて解説していきます。

クォーター制のメリット1:留学しやすい

クォーター制の場合1年が4分割されるので、セメスター制以上に自由に授業を選びスケジュールを組むことができます。例えば、4学期中3学期を使って1年分の授業を終わらせてしまい、残った1学期を自由に使うことができます。こうすれば、夏休みや春休みだけでなく、1学期分を使って自分の好きなタイミングで短期留学や語学留学ができるのです。

欧米のサマースクール(夏の間の短期語学研修)の多くは6月初旬に開講されます。ところが、日本のほとんどの大学で取り入れられているセメスター制や通年制の場合、7月末まで授業が行われています。そのため、サマースクールに参加することが難しいのです。しかし、クォーター制であれば問題ありません。春学期前半を終えたあとにサマースクールに参加できます。

さらに、4学期のどこからでも履修を開始できるクォーター制なら留学から帰ってきたあと、早い段階で大学の授業に復帰することができます。そのため、留学から帰ってきたあとの何もない空白の期間を最小限にとどめることができます。海外から日本へ留学にくる学生についても同じことが言えます。授業に参加するタイミングが年4回ありますから、日本の大学と違うスケジュールで動いている海外の大学からでも日程を調整しやすくなり、日本への留学がしやすくなるのです。

このように、クォーター制はグローバル化に対応できる制度と考えられています。海外留学のしやすさや、国際交流のしやすさを重視する人は、志望校にクォーター制が導入されているのか確認してみてください。加えて、秋入学についても調べておくとよいでしょう。

クォーター制のメリット2:1科目週2コマで短期集中的に学習できる

クォーター制は、短期集中的に学習できる制度です。授業の期間は短くなっても、授業のコマ数はセメスター制とほとんど変わりません。1科目週1コマであることの多いセメスター制に対し、クォーター制の授業のほとんどが1科目週2コマのスケジュールで学習を進めていきます。1科目週2コマある分、1つの学期で履修できる科目数は半減します。そのことによって、学期ごとに学習すべき学問領域が限定され、短期集中型の学習ができるのです。

今回は春学期と秋学期の半年ごとに授業を完結させるセメスター制と、約8週間で授業を完結させるクォーター制を紹介しました。セメスター制やクォーター制にメリットがあるように、通年制にも1年間腰を据えて深く学べるというメリットがあります。学ぶ内容の性質や個々人の性格によって適した制度は異なってくるでしょう。そのため、どれがよいのか一概に決めることはできません。自分の思い描いている将来や大学生活に適した制度はどれか考えてみて、それを大学選びの際に参考にしてみてはいかがでしょうか。

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